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小型PCケースの場合、ロープロファイルのグラボしか搭載できません。
しかし、需要はありますがロープロファイルのグラボはニッチ市場なので、それほど選択肢が多くないのが実情です。
そんな中、ついにインテルのロープログラボ「Intel Arc A380 Low Profile 6GB (A380 LP 6G)」がASRockから発売されました。
ドライバの未成熟を叩かれるインテルですが、はたしてどの程度の完成度なのでしょうか?
実際に購入してみたので、細かくレビューをしていきたいと思います。
目次
Intel Arc A380 Low Profile 6GB (A380 LP 6G)の性能スペック
では、詳しく「Intel Arc A380 Low Profile 6GB (A380 LP 6G)」の性能スペックを見ていきます。
グラフィックスエンジン | Intel® Arc™ A380 Graphics |
Xeコア | 8基 |
Matrixコア | 128基 |
RTユニット | 8基 |
ベースクロック | 2,000MHz |
ブーストクロック | - |
メモリー | 6GB GDDR6 |
メモリークロック | 15.5 Gbps |
メモリバス | 96bit |
バンド幅 | 186GB/s |
消費電力 | 75W |
サイズ | 169 x 69 x 39 mm 厚み:2スロット |
Intel Arc A380 Low Profile 6GB (A380 LP 6G)開封
Intel Arc A380 Low Profile 6GB (A380 LP 6G)を開封していきます。
新品の外箱です。
同梱物は以下となります。
右下にあるのは、予備のネジです。
映像端子は、HDMIとDisplayPortです。
価格が安いので、裏側にバックプレートは付いてない。
Windowsの標準ドライバでは正しく認識されません。
ASRockのサポートページ経由で、ドライバをインストールして下さい。
あとはIntelのサイトから、最新版を手順に沿ってインストールします。
Resizable Barを有効にしないと、性能が出ない
Intel Arc A380全てに言えると思いますが、Resizable Barを有効にしないと、本来の性能が出ません。
Resizable Barを有効にする方法は、マザボごとに異なるので詳細は説明しませんが、BIOS画面でCSMを「Disabled」にしてからでないと、Resizable Barを有効にできない。
また、Resizable Barを有効にすると、Above 4G問題を引き起こして普通のドライバだとPT3などの一部TVチューナーボードが使えなくなるようです。
60Hz超えのリフレッシュレートに、HDMI端子が対応不可
DisplayPortは、スペック通りに75Hzにも対応していますが、HDMIは60Hz以下までしか対応していませんでした。
グラボ側のHDMI端子は、「HDMI 2.0b」に対応しているはずなので、1920×1080表示なら、240Hzまで対応できる能力があ
しかし、75Hzに対応するモニターでも、HDMI接続だと60Hzまでしか出力できない。
この不具合については、初期不良なのか全個体不良なのか不明です。
ASRockのサポート宛にメールを送るとエラーが発生して届かない為、販売店であるドスパラに初期不良の認定をしてもらいました。
もし仮に、初期不良ではなく全個体不良であった場合、「Intel Arc A380 Low Profile 6GB (A380 LP 6G)」はスペック詐欺なので購入すべきではありません。
ロープロファイル対応だけど、2スロット分の厚み
せっかくのロープロファイル対応のグラボですが、PCIブラケットは厚み1スロットで、本体の厚みはファンを含めると2スロット分あります。
厚みが1スロットではない為、小型PCケースによってはグラボの取り付けができない可能性もある。
ちなみに下位商品には、厚みが1スロットの「SPARKLE Intel Arc A310 ECO」などもあるので、そちらのほうが汎用性は高いかもしれません。
Intel Arc A380 Low Profile 6GBのベンチマーク
Intel Arc A380 Low Profile 6GB (A380 LP 6G)の各種ベンチマーク結果です。
Resizable Barは全て有効にしてあり、使用したPCの構成は以下となります。
CPU | Ryzen 5 5600G |
CPUクーラー | JF100-RS |
マザーボード | B550M Pro4 |
グラフィックボード | ASRock Intel Arc A380 Low Profile 6GB (A380 LP 6G) |
メモリ | CMK16GX4M2A2666C16 |
SSD | SanDisk Extreme PRO (SDSSDXPM2-2T00-G25) |
電源 | SST-EX500-B |
PCケース | オープンフレーム自作ベンチ台 |
OS | Windows 11 Home |
FF14
1920×1080 標準品質(デスクトップPC):15188
FF15
軽量品質 1920×1080 :5830
【ベンチマーク終了直前の温度を計測】
CPU温度:50℃
GPU温度:75℃
Horizon Zero Dawn
パフォーマンス優先 1920×1080 :10279
ゲームでの実測値です。
クラフトピア
ゲームでの実測値ですが、このゲームはかなりクラッシュしました。
1920×1080 最低画質 平均FPS:30
Kingdom Come Deliverance
ゲームでの実測値です。
1920×1080 低画質 平均FPS:60
ゲームにもよるが、安定性は低い
ドライバの安定性は向上してきてはいますが、まだまだ不安定さがあります。
ゲームのクラッシュが起きる他にも、イマイチFPSが伸びなかったりする。
性能が低いからFPSが伸びないのか、それともドライバの最適化不足で性能が出ないのか?
どちらの可能性もあり得ます。
それと「インテルXeグラフィックス」だと、モニターのHDMIがWQHD144Hzに対応しているのに、WQHD60Hzまでしか出ないという不具合がある模様で、モニターの性能をHDMIだと、フルに発揮できないとのクチコミもありました。
↓
https://review.kakaku.com/review/K0001387860/ReviewCD=1689365/#tab
ゲームはイマイチでも、動画編集には使える
Intelのグラボは。お世辞にもゲームに向いているとは言えません。
ですので、割り切って動画編集でのAV1ハードウェアエンコード用として使うのはどうでしょうか?
NVIDIAやAMDは、廉価版グラボではエンコーダーも弱体化や非搭載になっているけど、Intelは廉価版グラボでもエンコーダーはフル装備されています。
このエンコーダー部分については、他社に対する明確なメリットだと思います。
まとめ
ASRock「Intel Arc A380 Low Profile 6GB (A380 LP 6G)」ですが、
まだまだ発展途上の為、購入はオススメできません。
メインマシンではなくサブマシンに搭載させるか、あるいは小型ケースでロープロファイルしか入らない場合に、しょうがなく選択肢に入るグラボだと思う。
安定性では、競合他社に大きく劣り、初心者で安定運用したいなら、RTX3050 6GBを推奨する。
また、インテルグラボなら厚みが1スロットの「SPARKLE Intel Arc A310 ECO」あたりでも良いでしょう。
ゲーム性能はIntel Arc A380よりも落ちますが、AV1でのハードウェアエンコードなどはフル装備なので、いろいろと便利に使えます。